視覚は人間の大切な五感の1つ。目からの情報は私たちが生きていくうえで欠かせません。

目の病気は初期症状に気付きにくく、放置をすると、最悪の場合は失明する可能性があります。

白内障などの目の病気を発症した場合、早期発見・治療が重要。

近年は日帰りで手術ができる場合もあります。今回の記事では、各術式の方法と費用を解説します。

目の手術を行う目的

目の手術を行う目的は、病気の治療・視力の回復。

目の手術と聞くと怖いイメージを持つかもしれませんが、先延ばしにすると生活に支障をきたしたり、最悪失明したりする可能性があります。

目の手術が大切な理由を2つ解説します。

病気の治療

目の手術を行う目的は、年齢とともに発症率が高くなる白内障・緑内障の治療。

疾患の種類によっては、点眼薬での治療も可能ですが、病状が進行すると手術の必要性が出てきます。

手術は視力をはじめとした視機能の回復を目指します。

病状の進行状況によっては、手術での完全回復は難しい場合がある点に注意が必要。

そのような事例では、病気がこれ以上悪くならないよう現状維持・失明防止を目的として行われます。

視力の回復

近年はスマートフォンやパソコンが普及し、遠視、近視、乱視などの屈折異常によって視力が低下する人が多くなりました。

裸眼では日常生活を送るのが難しく、メガネやコンタクトレンズといった矯正器具をつけている人も多いでしょう。

レーシックやICL（眼内コンタクトレンズ）といった手術は、屈折異常の矯正を目的として手術をおこないます。

視力回復手術とも呼ばれ、裸眼の状態でも良好な視力が期待でき、矯正器具をつける必要がなくなります。

目の手術の種類と費用

目の手術の種類はさまざまあり、病気によって手術方法が異なります。

それぞれの特徴や手術費用などを紹介します。

白内障手術

白内障は目の水晶体が白濁することにより、視界のかすみ・視力低下などが起きる病気。

メスで角膜を切開した後、超音波で濁った水晶体を砕き、吸引。水晶体嚢に眼内レンズを挿入して終了です。

手術時間は数十分と短く、日帰りで済ませることができます。

保険適用となる単焦点レンズを用いれば、片目1.5万円〜4.5万円で治療を受けられます。

緑内障手術

緑内障は目から入ってきた情報を脳に伝達する視神経が圧迫されて障害が生じ、視野が狭くなる病気。

手術では、視神経を圧迫している房水と呼ばれる水を外に排出させます。

目の白目と黒目の境目部分を切開した後、虹彩と呼ばれる部分を切除もしくは切開して房水を外に流し、眼圧を下げます。

他にも電気メスを使った手術やインプラント手術もあります。

手術時間は長くても1時間程度で、費用は片目8万円〜12万円です。

網膜硝子体手術

網膜は目の中でフィルムの役割があります。

硝子体は眼球内部を満たしている無色透明のゼリー状のものです。

いずれも物を見るための重要な部位。

網膜剥離・黄斑前膜などが網膜硝子体手術の適応となる病気です。

病気によって、手術方法は異なります。

眼球に穴を開けた後、病変部を吸引したり、網膜にレーザーを照射したり、病状に合わせて治療を進めます。

術式や処置内容によって費用は大きく変わりますが、10万円前後で治療が可能。

硝子体注射

硝子体注射は血管内皮増殖因子（VEGF）の働きを抑える薬剤を目の中に注射する治療法です。

血管内皮増殖因子は加齢黄斑変性症・糖尿病網膜症・網膜静脈閉塞症にともなう黄斑浮腫などの原因の1つ。

従来のレーザー照射や硝子体手術に比べて、短時間で効果を実感できるため、早い場合は翌日に改善が見られることもあります。

白目に注射するのみなので、ごく短時間で治療が終了します。

片目1回5万円で、最初は１か月ごとに3回ほどの治療が必要です。

レーシック手術

角膜の屈折率を矯正して視力を回復させるレーシック手術は、2000年に厚生労働省に認められた術式です。

角膜実質にレーザーで均一なフラップと呼ばれる円形上の蓋を作成します。

フラップを一部残した状態で角膜本体からまくり上げ、エキシマレーザーを角膜実質相に照射し、屈折率を矯正。

フラップ下を十分に洗浄して、フラップをもとに戻し、自然に癒着されるのを数分間待ちます。

レーシック手術の費用は病院によって異なり、両目で15万円〜40万円と幅があります。

ICL手術

角膜を削るレーシック手術に抵抗がある人は眼内コンタクレンズを挿入するICLという手術方法があります。

2010年に厚生労働省の認可がおりました。

麻酔を行った後、3mm ほど切開をして眼内にICLを入れ込みます。

手術時間が短く、レーシック手術では非対応の強度近視の人も受けられ、近視戻りも少ない点がメリットです。

レーシック手術に比べると手術費用は高額で、両目乱視なしで50万〜70万円かかります。乱視がある人は10万円程度加算されます。

日帰りできる目の手術が存在する

近年の医学の発達により日帰りで目の手術を受けられるようになりました。

白内障や緑内障、網膜硝子手術は、手術時間も短く、当日帰ることができます。両目一気に手術する場合は、入院が必要。

視力矯正のレーシックやICLも翌日の診察は必要なものの当日に帰宅が可能です。

いずれの場合も手術を受けるには、術前・術後に検査が必要なため、病院へ数回足を運ぶ必要があります。

手術当日は帰宅できる場合も多いです。

全身のコンディションを整えるストレスフリー療法

ストレスフリー療法とは、身体の特定の6点に直径1cmの導子をつけ、遠赤外線を30～60分照射する温熱療法です。

ストレスの原因となっているコルチゾールと呼ばれるホルモンの低下・血流を2〜4倍増加させる効果があるといわれています。

小さな金属導子を体につけるのみで、副作用もなく、体への負担が小さい点がメリット。

血流改善により、目だけではなく、全身の回復が期待できる治療法です。

まとめ

今回は目の手術を行う目的に加え、手術の種類や費用について紹介しました。

目の手術と聞くと怖いイメージを持つかもしれないですが、局所麻酔によって痛みを感じることはなく、手術によっては日帰りも可能です。

視力が回復すると、生活の不自由さがなくなり、生活の質の向上が期待できます。

目の異常を感じたら放置せず、眼科を受診してください。