白内障の手術を受けたあとは、感染症の予防のため点眼薬を一定期間使用します。
面倒だと感じ、目薬ををやめると、炎症を起こす場合があります。
結果、再治療が必要になるため、注意が必要。
今回は点眼薬の種類・術後の過ごし方について紹介します。
監修者:佐藤琢紀(サトウ タクノリ)
銀座数寄屋橋クリニック院長
2004年東北大学医学部卒業後、国立国際医療センターで研修医として入職。2019年には国立国際医療研究センター国府台病院救急科診療科長に就任。18年間救急医として約36,000人の診療経験を通じ、現行医療の限界を認識。元氣で楽しい人生を歩むための戦略の重要性を感じる中、ストレスフリー療法と出会い、その効果に感銘を受ける。これを多くの人に広めるべく、2024年4月より銀座数寄屋橋クリニックでストレスフリー療法に特化した診療を行っている。
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白内障手術後に目薬を一体いつまで差すのか
白内障の術後に処方される目薬は3ヵ月間続ける必要があります。
術後は目薬の種類は3種類です。
1週間は3種類の目薬を1日に複数回点眼します。
その後、1日の点眼回数は減りますが、目薬がなくなるまでの約3ヵ月は続けて点眼してください。
目薬は感染症だけでなく、炎症の予防のために重要です。
経過によっては点眼回数が減る可能性もありますが、早い回復のためには医者の指示に従いましょう。
白内障手術後に用いられる3種類の目薬
白内障の術後に用いられる目薬は3種類あります。
- リンデロン点眼
- ベガモックス点眼
- ベガモックス点眼
それぞれの効能・注意点を解説します。
リンデロン点眼
リンデロン点眼薬は合成副腎皮質ホルモン剤(ステロイド)が含まれています。
術後の炎症による赤み・かゆみ抑えるために点眼される薬です。
術後は1日に3~4回の点眼を1ヵ月続けます。
まれに緑内障を発症したり、刺激感や発疹がおきたりします。
長期間の使用は感染しやすくなるため、医師の用法・用量を守ってください。
ベガモックス点眼
ベガモックスは術後の細菌感染を防ぐ目薬です。
細菌のDNA合成を抑え、細菌増殖を阻害することによって抗菌作用をもたらします。
術前から術後3ヵ月まで点眼。
術前は1回1滴を1日5回、術後は1回1滴を1日3回指します。
点眼し忘れたときは気付いた時点で目薬を指してください。
次の点眼まで時間がないときは目薬を指さず、次のタイミングで1滴点眼しましょう。
ネバナック点眼
ネバナック点眼は炎症の原因になるプロスタグランジンの合成を抑え、炎症を予防する目薬です。
嚢胞様黄斑浮腫(眼の奥の網膜が腫れ)の発症を抑える効能があります。
術後の炎症予防のために用いられ、白内障だけでなく、緑内障手術後にも使用。
ベガモックス点眼同様、術前から術後にかけて点眼し、ネバナック点眼によって傷の治りが早くなります。
点眼後すぐは視界がぼやける可能性があるものの、角膜への浸透性に優れた目薬のため、すぐに馴染みます。
白内障手術後に目薬を差す際のポイント
目薬を指すときは手を清潔にし、上を向いた状態で下瞼を引きます。
容器の先端が目に当たらないように気をつけましょう。
目薬を挿したら1分から2分ほど目を閉じます。
複数の目薬を挿すときは間隔を5分あけてから差してください。
5分あけると薬が十分吸収され、相互の影響をほぼ受けないです。
点眼量は1滴。
多くつけすぎると目から溢れ、皮膚の炎症を引き起こす可能性があります。
あふれた目薬はティッシュなどで軽く抑えてください。
白内障手術後に保護メガネをいつまでかければ良いか
術後の傷は一般的に4日で塞がるといわれています。
術後は傷口が炎症を起こしやすい状態で、細菌に感染しないよう保護メガネで防ぐことが重要。
以前は薬を塗って眼帯で保護する方法が一般的なものの、抗菌薬入りの目薬を使える保護メガネの方が細菌の増殖を抑えられます。
装着期間は約1週間が目安です。
眼帯のように片目を塞ぐ必要がないので歩行の転倒リスクなどが下がります。
術後の見え方には、個人差があるため、保護メガネは医師と相談して購入してください。
目のコンディションをサポートするストレスフリー療法
ストレスフリー療法とは、身体の特定の6点に直径1cmの導子をつけ、遠赤外線を30~60分照射する温熱療法です。
水晶体周りの代謝を良くすることで、白内障の進行を阻害・回復が期待されています。
小さな金属導子を体につけるのみのため、副作用もなく、体への負担が小さい点がメリット。
軽度の白内障であれば、水晶体の濁りが解消された報告があり、血流改善が白内障の予防につながります。
まとめ
今回は術後の点眼薬の種類と目薬を差すときのポイントを紹介しました。
目薬は術後の感染を防ぐためにも重要です。
自己判断で使用を中止せず、医師の用法用量を守りましょう。
ストレスフリー療法は血流を改善する治療法で白内障だけでなく全身の改善が期待できます。
白内障が疑われたら、選択肢の1つにしてください。