パーキンソン病を発症したあとも車の運転はできるのか、不安に感じていませんか?
今回は、パーキンソン病を詳しく説明し、発症後に運転する際のポイントや治療法を併せて解説。
パーキンソン病と診断されたあとも、自分らしい生活を続けるために。
免許更新の不安や事故予防のポイント、ストレスフリー療法もご紹介していきます。
監修者:佐藤琢紀(サトウ タクノリ)
銀座数寄屋橋クリニック院長
2004年東北大学医学部卒業後、国立国際医療センターで研修医として入職。2019年には国立国際医療研究センター国府台病院救急科診療科長に就任。18年間救急医として約36,000人の診療経験を通じ、現行医療の限界を認識。元氣で楽しい人生を歩むための戦略の重要性を感じる中、ストレスフリー療法と出会い、その効果に感銘を受ける。これを多くの人に広めるべく、2024年4月より銀座数寄屋橋クリニックでストレスフリー療法に特化した診療を行っている。
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パーキンソン病とは一体どんな病気なのか
パーキンソン病とは、脳のドパミンが減少し、体の動きに影響が出る進行性の病気です。
高齢者の方に多い印象がありますが、実は40代で発症するケースも。
日常生活に不安を感じる方も多く、その一つが運転についてです。
そこで、パーキンソン病発症後に自動車の運転ができるのか、発症後における運転の際のポイントは?
など基本の情報を詳しくご紹介していきます。
パーキンソン病発症後に自動車を運転できるのか
パーキンソン病を発症したからといって、すぐに自動車の運転が禁止されるわけではありません。
運転を続けられるかどうかは、症状の進行度・体の動き・認知機能などにより人それぞれです。
なので、安全に運転ができるかどうかは、個人の状態によって異なります。
このまま運転を続けて大丈夫か、と不安を感じたときは、自分や家族が安心して過ごせるように早めの確認が大切です。
まずは、主治医に相談し、必要に応じて運転免許センターで適正相談や検査を受けましょう。
パーキンソン病発症後における自動車を運転する際のポイント
パーキンソン病発症後の運転には工夫が必要です。
革・ビニール素材のシート使用、ドライブレコーダーや障害者等用駐車場の活用、集中力の維持などがあります。
どれも安全に運転を続けるためのポイントです。
そこで、4つのポイントを詳しくご紹介していきます。
革・ビニールのシートを利用
パーキンソン病を発症すると、多くの方は車の乗り降りが思うようにいかず、外出をためらってしまいます。
そのようなときは、革シートやビニールシートの車両を選ぶことで負担を軽減し、体の動きがスムーズです。
また、布地のシートしかない場合も、お尻の下にビニールやゴミ袋をお尻の下に敷くと、乗り降りが楽になります。
少しの工夫で、車の出入りが快適に。
自分に合う方法を取り入れると、日常の移動が楽になるので、取り入れてみてください。
ドライブレコーダーの使用
パーキンソン病を抱えて車の運転を続ける場合、重要となるのがドライブレコーダーの設置です。
事故の状況を記録しておくドライブレコーダーの活用はとても重要。
万が一事故が起きた際に、状況を正確に記録できるため、責任の所在を明確にする手段となり、安心にもつながります。
最近では、専用機器だけでなく、スマートフォンアプリでもドライブレコーダーの代用が可能です。
損保会社が無償で提供しているものもあり、運転診断を受けられるサービスもあります。
自分の運転の癖や注意点に気付く手助けにもなり、日々の運転を見直すきっかけとなる手段です。
障害者等用駐車場を利用する
パーキンソン病を抱える方にとって、広くて使いやすい障害者等用駐車場の利用は、外出時の安心を支える重要な工夫のひとつです。
バリアフリー法により、多くの施設で余裕のある広いスペースが整備されています。
車のドアが、大きく開けられるため乗り降りもしやすいです。
自治体によってはパーキング・パーミット制度があり、特定の協力施設で使える駐車証(利用証)が交付される場合もあります。
こうした制度や設備は、無理なく自分の体調や生活スタイルに合わせて活用することが安全で快適な移動につながります。
運転に集中する
免許更新に不安を感じている方は、日々の安全運転と集中を心がけることが大切です。
運転中のながら行為は事故の原因になりやすく、注意が必要。
音楽や会話、スマートフォン操作などに気を取られると、反応が遅れてしまうことがあります。
特に、認知機能に影響が出ている場合には、自覚のないまま集中力が低下していることも。
パーキンソン病を抱えていても、運転がすぐに禁止されるわけではありません。
ですが、まだ大丈夫と思い込まず主治医や家族に相談し安全な運転を続けましょう。
知恵袋のような情報で調べるだけでなく、専門家の意見を早めに聞くことも安心につながります。
パーキンソン病の治療法
症状の進行や体調に応じて、パーキンソン病の治療はさまざまです。
ドパミンの不足を補う薬物治療を中心に、外科手術やリハビリ、薬を使わず補助的なストレス療法もあります。
そこで、それぞれの治療法を詳しくご紹介していきます。
薬物治療
症状の程度や進行具合に応じて複数の薬を組み合わせて使用することが一般的です。
パーキンソン病の薬物療法は、主にドパミン不足を補うレボドパ製剤や、ドパミンの働きを助けるドパミン作動薬などが使われます。
ですが、薬の効果は個人差があり、副作用への注意も必要です。
また、大切なのは、自己判断で服薬を中断せず、主治医と相談しながら調整すること。
症状を和らげるだけでなく、免許更新や安全な運転を続けるためにも、適切な薬物治療が欠かせません。
外科手術
パーキンソン病の外科手術は、薬だけではコントロールが難しくなってきた方に対する治療法です。
例えば、ウェアリング・オフ現象は、薬が切れると症状が出ます。
また、効果があるとされるのが、ウェアリング・オフ現象です。
この症状がある方の効果が期待され、現在は脳深部刺激療法(DBS)が主流で、脳の一部に電気刺激を与え症状改善を目指します。
手術後も薬や刺激の調整、リハビリが必要です。
免許更新や運転に不安がある方も、このような治療法で改善を目指せることもあります。
主治医とよく相談しましょう。
リハビリ
パーキンソン病の進行に伴う身体機能の低下を防ぐためには、継続的なリハビリが大切です。
効果が期待されているのは、歩行やバランス。
筋力などの維持に、ストレッチや有酸素運動です。
また、筋力・歩行トレーニングなどを取り入れたリハビリの継続が効果的とされています。
報告されているのが、5年以上にわたり歩行能力や筋力が保たれた例です。
自分に合ったリハビリを無理なく続けることで、日常生活の自立や免許更新後の安全な運転にもつながります。
ストレスフリー療法
薬物療法やリハビリが、基本の治療なのがパーキンソン病です。
一方で、有効な選択肢のひとつにストレスを軽減するストレスフリー療法があります。
特徴は、心地よい温熱刺激を特定の体表点に与えることで、ストレスホルモン(コチゾール)を抑え血流を促進。
さらに、自律神経を整える作用も期待でき、心身に負担をかけずに取り組める点です。
もちろん、治療の基本は薬物療法や外科手術、リハビリですが、ご自身の体調や生活リズムに合わせましょう。
無理のない範囲で取り入れてみてもよいかもしれません。
「銀座数寄屋橋クリニック」はストレスフリー療法に特化した治療を提供しています。
公式サイトにて、詳しい情報をご覧いただけます。
まとめ
車の運転は、パーキンソン病を抱えていても、症状や体調に応じて続けられる場合もあります。
大切なのは、安全運転と集中を常に心がけることです。
革のシート使用、障害者用駐車場の活用など、移動を助ける工夫も取り入れてみましょう。
薬物療法やリハビリを基本に、ストレスフリー療法など補助的な方法も取り入れられます。
このまま運転を続けて大丈夫かと不安を感じたときは、早めに主治医へ相談しましょう。
必要に応じて、運転免許センターで適正相談や検査を受けてみるのも不安の解消につながります。