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コラム

白内障手術を日帰りで済ませたい方へ!手術の流れについて詳しく解説

2025年06月21日

白内障は加齢などにより、目の水晶体が濁る病気です。

進行した場合、視力回復のための手術が必要。

近年は日本でも、日帰り手術が主流となっています。

今回の記事では、日帰りの白内障手術の流れに加え、メリット・デメリット・注意点・両目の日帰りは可能なのかどうかについても解説します。

日帰りの白内障手術を検討している方・白内障の発症リスクが高くなり始める40代以上の方に、おすすめの内容です。

監修者 佐藤琢紀(サトウ タクノリ)

監修者:佐藤琢紀(サトウ タクノリ)

銀座数寄屋橋クリニック院長

2004年東北大学医学部卒業後、国立国際医療センターで研修医として入職。2019年には国立国際医療研究センター国府台病院救急科診療科長に就任。18年間救急医として約36,000人の診療経験を通じ、現行医療の限界を認識。元氣で楽しい人生を歩むための戦略の重要性を感じる中、ストレスフリー療法と出会い、その効果に感銘を受ける。これを多くの人に広めるべく、2024年4月より銀座数寄屋橋クリニックでストレスフリー療法に特化した診療を行っている。

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日帰りの白内障手術の流れ

日帰りの白内障手術の流れ

手術当日までに、検査や説明のために何度か通院する必要があります。

一般的に手術の3日前から抗菌のために目薬の使用が指示されます。

細かい部分は医療機関によって異なる点に注意しましょう。

まずは、日帰りの白内障手術当日の流れについて説明します。

受付

医師から指定された時間に来院し、受付を済ませます。

受付では、事前に記入した手術承諾書などの書類を提出。

手術前に、医師による問診・目の状態のチェックが行われます。

問診では、体調・アレルギーの有無・服用中の薬などを把握。

視力測定・眼圧検査などで、目の状態をチェックします。

手術終了後には、治療した目に眼帯をするため、視野が狭くなります。

高齢の方・体が不自由な方は、付添人と来院しましょう。

術後に車の運転ができない点にも、注意が必要。

付添人に運転を任せるかタクシーでの来院を検討しなければなりません。

麻酔

瞳孔を広げる目薬(散瞳薬)・麻酔の目薬を点眼し、手術の準備をします。

白内障手術では、点眼麻酔が一般的。

注射による麻酔と比べて、体への負担が少ない点がメリットです。

高齢の方・持病のある方でも手術を受けられます。

点眼麻酔では、目の周りを消毒した後、麻酔薬を数回に分けて点眼。

麻酔が効いてくると、目が重く感じたり、まぶしく感じたりする場合があります。

麻酔が十分に効いていることが確認できたら、手術着を着用し、手術室へ移動します。

手術の内容・手順・注意点などの確認がおこなわれます。

手術

手術では、濁った水晶体の代わりに、人工水晶体である眼内レンズを挿入します。

局所麻酔のため、痛みが少ないです。

手術時間は30分以内。

短時間かつ安全な手術です。

以下の方法で、手術がおこなわれます。

  • 超音波乳化吸引術
  • レーザー白内障手術

① 超音波乳化吸引術

角膜を切開して器具を挿入した後、水晶体を破砕・吸引。

水晶体嚢の中に眼内レンズを挿入・固定します。

② レーザー白内障手術

基本的な流れは、超音波乳化吸引術と同様です。

コンピュータ制御のもとで、角膜切開・前嚢切開・水晶体核分割をおこないます。

より精密で安全な手術が可能です。

全身状態の確認後に帰宅

手術後、目を点眼薬で洗浄。

抗菌剤入りの軟膏を塗った後、眼帯または保護メガネをします。

回復室(リカバリールーム)に移動し、安静に過ごすことになります。

手術直後は麻酔や眼帯の影響で、視界がぼやけたり光をまぶしく感じる場合があるものの、心配はないです。

強い痛みなどの異常がある場合、すぐにスタッフに伝えてください。

回復室では、血圧・脈拍などをチェックしながら、経過観察をおこないます。

安静時間は30分~1時間程度。

医師の診察を受け、全身状態が安定していることを確認できた後、会計を済ませます。

会計が済めば、帰宅できます。

日帰りの白内障手術のメリット・デメリット

日帰りの白内障手術のメリット・デメリット

「白内障手術は日帰りと入院どちらが良いか」などの疑問を抱く人もいます。

どちらにもメリット・デメリットもあるため、医師とすることが重要。

ここでは、日帰りの白内障手術のメリット・デメリットについて紹介します。

日帰りの白内障手術のメリット

日帰りの白内障手術における主なメリットは、以下のとおりです。

  • 手術当日に帰宅できる
  • 日常生活・仕事への早期復帰
  • 手術日のスケジュール調整がしやすい
  • 準備・手続きが少ない
  • 費用を抑えられる

日帰りの白内障手術は手術当日に自宅へ帰り、普段通りの環境でリラックスして過ごせます。

入院期間がないため、手術翌日から今までどおりの生活に戻ることが可能。

手術日を患者の予定に合わせやすい点もメリットです。

入院手術に比べて、事前準備・手続きが少ないため、忙しい人でも軽い負担で済みます。

入院費がかからないため、経済的負担が軽減されます。

日帰りの白内障手術のデメリット

日帰りの白内障手術における主なデメリットは、以下のとおり。

  • 視界が鮮明ではない状態での帰宅
  • 翌日に術後検診による再来院が必要
  • 自身でのケアが必要

術後は麻酔などの影響で、視界が鮮明ではないです。

眼帯を装着した状態で帰宅するため、見え方が普段と異なります。

術後の経過観察のため、手術翌日に通院が必要。

施設によっては、翌々日にも検診を受けます。

術後、感染症対策が重要です。

洗顔・入浴など、日常生活にさまざまな制約があります。

医師の指示に従い、目薬を使用。

複数種類の目薬を1日に何度も差さなければなりません。

両目の白内障手術を日帰りでできるのか

両目の白内障手術を日帰りでできるのか

日帰り白内障手術は片目ずつが基本。

一部の医療機関では、両目の手術をおこなっています。

ここでは、両目手術のメリット・デメリットについて解説します。

メリット

両目の白内障手術を日帰りでおこなうメリットは、以下のとおり。

  • 日常生活に早く復帰できる
  • 通院頻度や費用負担を減らせる

白内障手術から一定期間、洗顔や入浴など生活に制限があります。

片目ずつでは、制約期間・見え方に慣れるまでの期間も2回分要します。

両目手術では、早期の日常生活への復帰が可能です。

術後は、定期的な検診が必要。

片目ずつに比べ、通院回数・費用を軽減できます。

デメリット

両目の白内障手術を日帰りでおこなうデメリットは、以下のとおりです。

  • レンズを微調整できない
  • 付添人が必要

片目ずつの場合、手術した目の見え方を確かめてから、もう一方の見え方を調整できます。

両目の場合、調整ができない点に注意しましょう。

手術当日は両目とも視力回復が不十分なため、付添人が必要です。

日帰りの白内障手術を行う際の注意点

日帰りの白内障手術を行う際の注意点

白内障手術は短時間かつ安全性の高い手術な反面、手術前後に注意点があります。

手術による傷は数日残るため、目に刺激を与える行為・細菌感染の可能性がある行為をしばらく控えます。

感染症のリスクを避けましょう。

以下、日帰りの白内障手術を受ける際の、日常生活での注意点を紹介します。

前日に洗顔・洗髪を済ませる

洗顔・洗髪を手術の前日に済ませます。

手術直後は、目の周囲に刺激を与える行為・感染症リスクのある行為を避けなければなりません。

1週間は洗顔・洗髪・入浴を控えます。

絞ったタオルで拭くことは、手術当日からできます。

医師から洗顔の許可が出ても、目を圧迫しないことが重要。

洗髪は手術から1週間後にできます。

シャンプーなどが目に入らないように注意しましょう。

美容院での仰向けの洗髪ならば、翌日から可能です。

首から下のシャワーを浴びることは、当日また翌日からできます。

浴槽につかることは、1週間控えてください。

前開きの服を着る

手術当日は、基本的にどのような服装で来院しても自由ですが、前開きの服がおすすめです。

手術後は眼帯をしたまま着替えるため、簡単に着られる服が便利。

心電図・血圧を測定しやすいよう、薄手の肌着になれる状態にする必要があります。

消毒液などで服が汚れる可能性があるため、高価な服やお気に入りの服などは避けましょう。

化粧・アクセサリー類はせず、マニュキュアも落としてください。

術後は保護メガネ・眼帯を用いる

手術直後は眼球保護のため、眼帯を装着します。

転倒などのリスクがない限り、翌日の診察まで眼帯を外さないことが望ましいです。

保護メガネを翌日から使用することが可能。

眼球への接触・細菌の侵入を防ぐだけでなく、風・ホコリ・紫外線などの刺激から目を守る役割もあります。

近年は、手術直後から保護メガネを使用する医療機関が増えています。

保護メガネの装着期間は手術後1週間が目安。

就寝時にもかけることで、寝具でのこすれ・ホコリの侵入を防ぎます。

手術直後の運転を控える

交通事故を起こさないためにも、見え方が安定するまでは車の運転を控える必要があります。

視力の回復には個人差がありますが、原則として手術直後の車の運転は禁止。

手術後1週間程度で眼帯または保護メガネが取れるタイミングか、医師の許可が下りるまで待ちましょう。

手術前とは見え方が変わります。

運転再開後は、いきなり遠出または夜間に運転するのではなく、近所の買い物程度から始めることがポイントです。

徐々に慣らしてください。

医師に相談しつつ仕事に復帰する

仕事については、医師と相談し、無理をしないことが重要。

デスクワークなどの軽作業であれば、手術翌日からでも問題ないことが多いです。

目に負担をかけすぎないことが、仕事に復帰する際のポイントに挙げられます。

歩き回ったり、運転をしたりする仕事であれば、術後1週間からの復帰が目安。

重い荷物を運ぶような仕事は、血圧が上昇し、目の奥から出血する可能性があります。

1ヶ月は控えましょう。

埃が多い場所での作業は、目の傷から細菌に感染する可能性があります。

保護メガネなどでガードしましょう。

まとめ

白内障手術を日帰りで済ませる場合、日常生活への早期復帰がおこないやすいです。

費用も抑えられます。

視力が不安定な状態で帰宅することになるため、付添人が必要。

両目の白内障手術をおこなう医療機関も存在します。

近年、ストレスフリー療法と呼ばれる温熱療法が注目されています。

ストレスホルモン低減・血流の増加などの効果が確認されているため、気になる方は一度チェックしましょう。