白内障の症状をチェックするには、どのような方法があるのでしょうか。

白内障は、加齢や糖尿病などの原因により、目の水晶体が混濁する病気。

水晶体が濁ることで、さまざまな症状が現れることがあります。

この記事では、白内障の症状をセルフチェックする方法を紹介します。

白内障の症状をチェックする方法について知りたい方・白内障の発症リスクが高くなり始める40代以上の方におすすめの内容です。

白内障の症状チェックする方法

ここでは、白内障の症状や年齢・持病などの属性から、白内障をチェックする方法を説明します。

白内障は、目の中の水晶体が何らかの原因で濁る病気。

水晶体は、カメラのレンズのように外からの光を集め、ピントを合わせる働きをします。

水晶体が濁ることで、さまざまな症状が現れます。

以下の項目のうち、3つ以上当てはまる方は、早めに眼科を受診してください。

年齢が50歳以上

50歳以上になると、白内障のリスクが高くなります。

白内障の90％以上が加齢によるものです。

加齢性白内障と呼ばれます。

早い人では、40代から発症。

50代で37～54％、60代で66～83％、70代で84～97％、80代以降ではほぼ100％の人で、症状が認められたデータがあります。

長年の紫外線曝露などの外部刺激により、水晶体のタンパク質が酸化することなどが原因と考えられています。

加齢性白内障は、水晶体の周囲からゆっくりと中心に向かって濁る皮質白内障が一般的。

初期には、自覚症状が少ない場合が多いです。

糖尿病またはアトピー性皮膚炎を発症しているか

糖尿病・アトピー性皮膚炎の合併症として、糖尿病性白内障・アトピー性白内障が引き起こされる場合があります。

若い年代でも発症率が高く、進行スピードがはやい後嚢下白内障が多いことが特徴です。

それぞれの原因は、以下のように考えられています。

• 糖尿病により血糖値のコントロールが不安定になると、糖アルコールの一種ソルビトールが水晶体中に蓄積される。
• アトピー性皮膚炎の治療に使用される「ステロイド剤」の副作用や、かゆみにより目の周りをこすったり叩いたりすることで引き起こされる。

物が二重・三重に見える

ものが二重・三重に見えることも、白内障の症状のひとつです。

水晶体の濁っている部分と透明な部分とでは、光の進行方向がそれぞれ異なるため、複数の像が見えるようになります。

ものが複数に重なって見えることを複視といいます。

斜視なども複視の原因。

複視が白内障によるものかどうかは、例えば月を見るとわかるとされています。

片目ずつ見て、月が二重・三重に見えた場合は白内障が疑われます。

日中と夜間で見え方が異なるかどうか

白内障では、日中と夜間で見え方が異なる場合があります。

目は、瞳孔の収縮により入ってくる光をコントロール。

明るい場所では瞳孔を縮めて光の量を減らし、暗い場所では瞳孔を広げて光の量を増やします。

水晶体の外側から徐々に濁るタイプの白内障では、日中は瞳孔が縮むため症状に気づきにくい場合があります。

夜間には瞳孔が広がるものの、水晶体の濁りによって光の侵入が妨げられ、見えにくい場合がある点に注意が必要。

水晶体の中央部分のみが濁っている場合は、日中は見えにくく夜間に見えやすいことがあります。

天候で見え方が異なる

天候により見え方が異なる場合がある点も、白内障の症状。

白内障では、光をまぶしく感じる症状がよく見られます。

水晶体が濁っていると、光がまっすぐ網膜に届かず、光の散乱が生じます。

水晶体が白く濁る皮質白内障・後嚢下白内障は、光が散乱しやすいです。

よく晴れた日の屋外では、目を開けていられないほど、まぶしく感じることがある点に注意が必要。

夜間に街灯・信号機・車のヘッドライトなどを見たときも、光を敏感に感じやすいです。

夜間の運転時の交通事故のリスクが高くなるため、早めに眼科を受診する必要があります。

目が疲れやすいかどうか

白内障になると、目が疲れやすくなることもあります。

人の目は、ものを見るときに水晶体の厚さを変化させてピントを合わせています。

水晶体の厚さを変えるには、水晶体の周りの筋肉を動かすことが必要。

白内障になると、ピントを合わせることが難しくなります。

ピントを合わせようとすると、常に目の筋肉を使っている状態になるため、目が疲れやすいです。

ものが見えにくくなる白内障のさまざまな症状は、目に多大なストレスを与えます。

結果、眼精疲労を引き起こしやすくなります。

合わせたメガネが3年以内に合わなくなった

白内障になると、短期間でメガネの度が合わなくなる場合もあります。

水晶体の中心から濁る核白内障は、徐々に近視が進行する場合があるため、注意が必要。

水晶体が膨潤し、屈折力が大きくなることが原因です。

メガネを買い替えても、3年以内に再度買い替えが必要になる場合があります。

視界のかすみも、メガネによる視力矯正がうまくいかないことが原因。

水晶体が濁ることで、目の中の光の透過性が低下します。

結果、ものがかすんで見える・白いモヤがかかったように見える・焦点が合わずぼやけて見えるなどの症状がみられます。

視力が低下したか

白内障により、視力の低下が引き起こされることがあります。

白内障の多くは、加齢性白内障に代表される皮質白内障です。

水晶体の濁りは外側から中心に向かって進行します。

視力低下を実感するタイミングは、濁りが中心部に到達した時。

初期のうちは、視力低下を実感することが少ないです。

水晶体の後面から濁り始める後嚢下白内障では、初期から視力低下を実感しやすい点に注意しましょう。

水晶体の中心から濁り始める核白内障は、黄色く濁るだけで、水晶体の透明性は保たれることが多いです。

進行しなければ、視力が低下しないこともあります。

白内障の進行度と視力の低下は、必ずしも比例関係ではないです。

近視が酷くなったかどうか

核白内障では、進行するにつれて近視が酷くなることがあります。

核白内障は、水晶体の中心部である核から徐々に濁るタイプの白内障。

進行に伴い、水晶体が硬く厚くなります。

屈折率が変わるため、近視が進みます。

メガネの度数を調整しても、すぐに再調整が必要になる点に注意が必要。

核白内障では、水晶体は黄色から茶色、褐色というように濁っていくので、自覚症状が出にくいです。

症状が進行するほど核の硬度が上がるため、手術の難易度も高くなります。

早期発見・早期治療が重要です。

老眼鏡が不要になったかどうか

核白内障では、老眼鏡が不要になる場合があります。

核白内障で水晶体が黄色く濁っても透明性は維持されます。

核が硬く厚くなることで、光の屈折率が変化。

手元がよく見えるようになり、老眼が治ったように感じられることがあります。

一時的なもののため、進行すると近くも遠くも見えにくくなる点に注意しましょう。

皮質白内障・後嚢下白内障が進行した場合、水晶体が白く濁ります。

老眼鏡を使っても、スマホの文字が読めなくなっていきます。

自動車の免許更新ができなかった

白内障による視力低下により、運転免許を更新できない場合があります。

白内障による視力低下の詳細は、すでに説明したとおりです。

人によっては、今までの仕事が続けられなかったり、日常生活で大きな不便を強いられる場合もあります。

普通免許の場合の視力の基準は以下のとおり。

• 左右それぞれの視力が0.3以上で、両目の視力が0.7以上あること
• 片方の視力が0.3に達しない場合は、よく見える方の視力が0.7以上かつ視野が左右150度以上あること

メガネなどによる矯正視力でも可です。

左右の目で見え方が異なる

左右の目で見え方が異なることも白内障の症状です。

白内障は、片目に発症する場合と両目同時に発症する場合があります。

進行具合によって、左右で見え方に差が出る点に注意しましょう。

距離感が分かりにくくなるため、階段の上り下りが難しくなるなど、生活に支障が出ます。

左右の目は視軸のズレにより、それぞれ異なる角度からものを見ています。

視軸のズレが生み出す視覚情報の差を脳が処理し、立体感・遠近感をつかむことが可能。

左右で見え方が異なる場合、立体感・遠近感を認識しにくくなり、距離感が分かりにくくなることにつながります。

ステロイド剤を長期にわたって服用しているか

ステロイド剤は、アトピー性皮膚炎やアレルギー疾患の治療など幅広い用途で使われている薬です。

長期にわたって大量に使用すると、ステロイド白内障を発症するリスクが高まるといわれています。

ステロイド剤には、目薬や塗り薬などさまざまなタイプがあります。

白内障の原因になりやすいとされているタイプは、全身疾患・喘息などで使用される内服薬・吸入薬。

ステロイド剤の副作用で白内障を発症するメカニズムは、十分には解明されていません。

進行スピードがはやい・後嚢下白内障の発症が多いことが特徴です。

まとめ

今回は、白内障の症状をチェックする以下のような項目を紹介しました。

複数の項目に該当する方は、早めに眼科を受診し、白内障の早期発見につなげましょう。

• 目のかすみ・視力の低下・光がまぶしいなどの症状がある
• 50歳以上・糖尿病など、白内障のリスク因子がある

近年、ストレスフリー療法が注目されています。

ストレスフリー療法とは、身体の特定の6点に直径1cmの導子をつけ、遠赤外線を30～60分照射する温熱療法。

ストレスホルモン低減・血流の増加などの効果が確認されています。

高血圧・糖尿病・認知症・不眠症・白内障など、さまざまな病気の予防・改善効果が期待できます。

興味のある方は、施術を受けてみてはいかがでしょうか。