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コラム

若い人が注意したい若年性白内障!気になる原因について詳しく解説

2025年07月23日

この記事では、若い人が白内障になる原因やその治療法について、詳しく解説します。

「白内障は高齢者がなるもの」と思っている人は多く、実際に白内障の原因の大半は加齢です。

若い人でも外傷や糖尿病などが原因で白内障になることがあり、進行スピードがはやいという特徴があります。

そのため、早期の発見と治療が重要になってきます。

若い人が白内障になる原因について知りたい方・糖尿病やアトピー性皮膚炎などの持病のある若い方に、ぜひ読んでいただきたい内容です。

監修者 佐藤琢紀(サトウ タクノリ)

監修者:佐藤琢紀(サトウ タクノリ)

銀座数寄屋橋クリニック院長

2004年東北大学医学部卒業後、国立国際医療センターで研修医として入職。2019年には国立国際医療研究センター国府台病院救急科診療科長に就任。18年間救急医として約36,000人の診療経験を通じ、現行医療の限界を認識。元氣で楽しい人生を歩むための戦略の重要性を感じる中、ストレスフリー療法と出会い、その効果に感銘を受ける。これを多くの人に広めるべく、2024年4月より銀座数寄屋橋クリニックでストレスフリー療法に特化した診療を行っている。

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白内障とは一体どんな病気なのか

白内障とは一体どんな病気なのか

白内障とは、加齢や紫外線、糖尿病などの原因により、目の水晶体が混濁する病気です。

水晶体は、カメラのレンズのような役割を担い、外からの光を集めてピントを合わせています。

水晶体が濁ると、光が通りにくくなりピントの調整機能が低下。

その結果、目のかすみ、光がまぶしい、視力低下、ものが二重に見えるなどの症状が現れます。

加齢が原因の加齢性白内障が多いです。

早い人では40代で発症し、80歳を過ぎると、ほぼすべての人に症状が認められます。

若い人が若年性白内障になる主な原因とは

若い人が若年性白内障になる主な原因とは

白内障は高齢者に多く見られる病気ですが、20~30代の若い人が発症することもあり、若年性白内障と呼ばれます。

考えられている原因は、外傷・糖尿病・アトピー性皮膚炎・ステロイド剤・スマートフォン・パソコンなどです。

ここでは、各原因について解説していきます。

外傷

外傷により発症する白内障が、外傷性白内障です。

外傷には、目の周りに物をぶつけるなどの鈍的外傷と、異物が角膜を貫通して水晶体を損傷する穿孔性外傷があります。

年齢にかかわらず発症するリスクがあるので、注意が必要。

外傷性白内障は急速に進行する症例が多いのに加え、発症するまでに数年かかる場合もあります。

目を強くぶつけたり、ガラス片などが入ったりした場合には、目立った症状が現れていなくても眼科を受診し、経過を観察しましょう。

糖尿病

糖尿病の合併症として、白内障が引き起こされることがあります。

これは糖尿病性白内障と呼ばれ、若い年代でも発症率が高いです。

進行スピードがはやい後嚢下白内障が多い点が特徴。

血糖値のコントロールが不安定になると、糖アルコールの一種ソルビトールが水晶体の中に蓄積。

その結果、白内障の原因になると考えられています。

糖尿病は白内障以外にも、糖尿病網膜症のリスクも高いです。

糖尿病の方は、眼科の定期的な受診をおすすめします。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎の合併症として、アトピー性白内障があります。

アトピー性皮膚炎の多くは乳児期に発症し、その10~15年後に白内障の症状が現れるケースが多いです。

そのため、アトピー性白内障は若い世代に多く認められます。

水晶体の中心部から混濁する後嚢下白内障の発症が多く、進行スピードがはやいことも特徴。

アトピー性皮膚炎が白内障の原因となるメカニズムは、まだ解明されていません。

治療に使用されるステロイド剤の副作用・かゆみにより目の周りをこすったり叩いたりすることが原因と考えられています。

ステロイド剤

ステロイド剤は、アトピー性皮膚炎・アレルギー疾患の治療など幅広い用途で使われている薬です。

長期にわたり大量に使用すると、ステロイド白内障を発症するリスクが高まるといわれています。

ステロイド剤には、目薬や塗り薬などさまざまなタイプが存在。

中でも、全身疾患・喘息などで使用される内服薬や吸入薬が、白内障の原因になりやすいといわれています。

ステロイド剤の副作用で白内障を発症するメカニズムは、十分には解明されていません。

進行スピードがはやい後嚢下白内障の発症が多い点も特徴です。

スマートフォン・パソコン

スマートフォン・パソコンなどのデジタル機器も、以下のような理由で目の水晶体に負担がかかり、白内障の原因になりうると考えられています。

①眼精疲労

スマートフォンなどを長時間使用すると、目のピントを調整する筋肉を酷使したことで調整機能がうまく働かず、休息をとっても目の疲れが回復できない状態になることがあります。

②ドライアイ

画面に集中すると、まばたきが減少し目の表面が乾きやすくなります。

ドライアイが続くと、角膜や水晶体の保護が十分に行われず、傷つきやすくなる点に注意が必要です。

③ブルーライトの影響

スマートフォンなどから発せられるブルーライトは、波長が短くエネルギーが強いため、網膜や水晶体に酸化ストレスを与えるといわれています。

若年性白内障の治療法

若年性白内障の治療法

若年性白内障の治療法は、一般的には目薬と手術の2つです。

白内障の初期段階では、進行抑制目的の目薬による薬物治療が選択されます。

進行した段階では、視力回復目的の手術が必要。

近年は薬や手術に頼らないアプローチとして、ストレスフリー療法も注目されています。

目薬

白内障の症状が日常生活に支障がない初期段階では、「目薬」による治療が基本です。

水晶体の濁りがなくなるわけではなく、進行を抑えることを目的とします。

使用される目薬は、主に以下の2種類。

①ピレノキシン製剤

キノイド物質の水晶体タンパク質への結合を阻害することで、白内障の進行を抑えると考えられています。

②グルタチオン製剤

グルタチオン製剤は抗酸化物質です。

白内障の進行により減少した水晶体内のグルタチオンを補います。

水晶体の透明性を維持することにより、白内障の進行を抑えます。

手術

白内障が進行し生活に支障がある場合は、手術がおこなわれます。

具体的には、濁った水晶体の代わりに、人工水晶体である眼内レンズを挿入する方法です。

一般的に局所麻酔で痛みはほぼなく、30分以内と短時間かつ安全な手術。

一般的な超音波乳化吸引術と、最新のレーザー白内障手術があります。

①超音波乳化吸引術

角膜を切開して器具を挿入し、水晶体を破砕・吸引。

その後、水晶体嚢の中に眼内レンズを挿入・固定します。

②レーザー白内障手術

基本的な流れは、超音波乳化吸引術と同じです。

コンピュータ制御のもとで、角膜切開・前嚢切開・水晶体核分割をおこないます。

より精密で安全な手術が可能。

ストレスフリー療法

近年、全身の血流や自律神経を整えて目のコンディションを根本からサポートするストレスフリー療法が注目されています。

ストレスフリー療法とは、身体の特定の6点に直径1cmの導子をつけ、遠赤外線を30~60分照射する温熱療法です。

ストレスホルモンの低減・血流の大幅な増加などの効果が確認されています。

高血圧や糖尿病、認知症、不眠症、冷え症など、さまざまな病気の予防・改善効果が期待できます。

眼球の中を流れる房水は、目の組織に栄養分を与える組織。

ストレスフリー療法で全身の血流とともに房水の循環も高めることにより、白内障の予防・改善効果も期待できます。

白内障は早期発見が重要

白内障は早期発見が重要

白内障は初期の段階で発見できれば、手術の必要はなく、目薬による治療で進行を抑制することが可能です。

白内障が進行しているほど手術の難易度が高く、合併症のリスクも高くなります。

目のかすみなどの白内障が疑われる症状がある場合はもちろん、見え方に違和感があると感じた際は、早めに眼科を受診しましょう。

若い人でも、目のケガ・糖尿病・アトピー性皮膚炎・ステロイド剤の長期使用などの白内障のリスク要因があれば、念のため眼科を受診しすることをおすすめします。

がんなどの他の病気と同じく、白内障も早期発見・早期治療が重要です。

まとめ

若い人が注意したい若年性白内障!気になる原因について詳しく解説のまとめ

今回は、若い人が白内障になる原因やその治療法を詳しく解説しました。

20~30代で発症する若年性白内障の原因は、外傷・糖尿病・アトピー性皮膚炎・ステロイド剤・スマートフォンなどです。

加齢が原因の白内障と比べて、進行スピードがはやいことが特徴。

初期は目薬で進行を抑えます。

進行してからは視力を回復するための手術がおこなわれます。

ストレスフリー療法も目のコンディションを整える方法。

この記事により、若い世代の方が白内障に興味を持ち、早期発見につながれば幸いです。