パーキンソン病の症状には、一体何があるか疑問に感じている方が多いのではないでしょうか。

パーキンソン病は手の震えなどの運動症状・便秘などの非運動症状が現れる神経変性疾患です。

高齢になるほど発症率が高くなるため、今後患者数はさらに増加していくとみられています。

この記事では、パーキンソン病の症状に加え、さらにパーキンソン病の症状の改善効果が期待できるストレスフリー療法についても紹介します。

パーキンソン病の症状に興味がある方や、ご本人やご家族がパーキンソン病患者の方にも、おすすめの内容です。

パーキンソン病とは一体どんな病気なのか

パーキンソン病とは、振戦（震え）・筋固縮・動作緩慢・姿勢保持障害を主な運動症状とする進行性の病気です。

50歳以上で発症することが多い病気ですが、40歳以下で起こることもあり、若年性パーキンソン病と呼ばれます。

高齢になるほど発症率が高く、65歳以上では100人に1人程度。

2021年度の調査から、日本での患者数は約20万人と推定されています。

運動の制御に関わる神経伝達物質ドパミンは、中脳の黒質にあるドパミン神経細胞で作られます。

パーキンソン病になると、ドパミン神経細胞が減少。

ドパミンが十分に作られなくなります。

結果、運動の調節がうまくいかなくなり、体の動きに障害が現れます。

パーキンソン病の症状

ここでは、パーキンソン病の具体的な症状を紹介します。

振戦、筋固縮、動作緩慢、姿勢保持障害の4つが代表的な運動症状です。

最初の3つはパーキンソン病の発症初期から見られます。

それら4つ以外にもさまざまな症状が見られますが、パーキンソン病以外の病気が原因の場合もあるため、注意しましょう。

振戦

振戦（安静時振戦）とは、何もしないでじっとしているときに、手などが小刻みに震える症状です。

手の場合は、いすに座って膝に置いているとき・歩いているときなど、力を入れていないときに起こり、動かすと震えは小さくなります。

一般的に、以下のような特徴がみられます。

• 通常は片方の手から起こり始める
• しばしば、親指と人差し指をこすり合わせる動作がみられる（丸薬丸め運動）
• 手を意図的に動かしているときにはあまり起こらない
• 睡眠中は震えが治まるが、目が覚めると震えが始まる
• ストレスや疲労によって悪化することがある
• 進行すると、もう一方の手や足にも起こるようになる

筋固縮

筋固縮（筋強剛）とは、筋肉がこわばり、身体がスムーズに動かなくなる症状です。

パーキンソン病の筋固縮は自分では気づきにくく、他者が患者の腕や足を動かそうとすると、関節がカクカクするような抵抗が感じられます。

肘や膝、手首などの関節に、持続的なこわばりや抵抗を認める筋固縮が鉛管様固縮。

それに対し、他者が関節の曲げ伸ばしを行った際に、歯車のような抵抗を認める筋固縮を歯車様固縮といいます。

筋固縮が進行すると、スムーズな運動がおこなえず、歩行や運動も困難になる点に注意が必要です。

顔面の筋肉にも影響が及びます。

動作緩慢

動作緩慢（無動・寡動）とは、動きが遅くなり、同時に細かい動作がしにくくなる症状です。

動きが遅く小さくなり、動作の開始が困難になります。

患者はあまり動かなくなるため、関節が硬くなるのに加え、筋力が低下。

動くことがますます難しくなります。

その他の症状は、話し方に抑揚がなくなり声が小さくなる・寝返りを打てなくなる・歩くときに足が出にくくなる（すくみ足）・書く文字が小さくなる（小字症）・飲食物を飲み込みにくくなる（嚥下障害）などです。

姿勢保持障害

姿勢保持障害（姿勢反射障害）とは、バランスが悪くなり転倒しやすくなる症状です。

パーキンソン病の初期には見られず、進行してから現れます。

高齢者の場合、転倒により骨折し、そのまま寝たきりになることもあるため、注意が必要。

一般的に、以下のような特徴がみられます。

• 姿勢が前かがみになる
• 体のバランスがとりにくくなり、転びやすくなる
• 歩いていて止まれなくなる、方向転換をするのが難しい
• 首が下がる、体が斜めに傾く

歩行障害

歩行障害とは、歩行が困難になる症状です。

筋固縮や動作緩慢、姿勢保持障害などの運動症状と関連しています。

一般的に、以下のような特徴がみられます。

• 腕の振りが左右で異なる、まったく腕を振らない
• 前かがみの姿勢になり小刻みにすり足で歩く（小刻み歩行）
• 最初の一歩が踏み出せない（すくみ足）
• 歩く速度が遅い、歩ける距離が短い
• 方向転換が難しい
• 意図していないのに次第に歩くスピードが速まる、前方へつんのめる（加速歩行・突進歩行）

嚥下障害

嚥下障害とは、飲食物を口に入れ噛んで飲み込むまでの嚥下の動作のどこかに問題があり、うまく飲み込むことができなくなる症状です。

原因は、口の周りにある咽頭筋の動作が遅くなっていること。

運動にかかわる働きの低下・薬の影響が関係していると考えられています。

誤嚥により、誤嚥性肺炎を引き起こすと、命に関わる場合もあるので注意が必要です。

一般的に、以下のような特徴がみられます。

• 食事に時間がかかる
• 食べ物や飲みものがつかえる、むせやすい
• 唾液が口のなかにたまりやすい
• 食べ物が口のなかに残る
• 飲み込んだものが気管に入る（誤嚥）

無表情

無表情とは、顔の表情の変化が乏しくなる症状です。

表情をコントロールする顔面筋が正常に動かないため、顔の表情が乏しくなります（仮面様顔貌）。

最終的には、口を開けたままうつろなまなざしになり、まばたきの回数も減少。

原因は顔の表情筋の固縮とされているものの、病気によって気分がふさぎ込みがちになり、心の動きが滞っていることが背後にある場合もあります。

パーキンソン病とうつ病は併発することが多いです。

字の変化

字の変化とは、文字をスムーズに書くことができない症状。

前述の動作緩慢でみられる症状のひとつです。

文字を書く際、本人の意思に反して、「字が極端に小さい」「書くうちに次第に字が小さくなる」などの状態が起こります（小字症）。

文字を書く動作は、指先を使った細かい作業です。

筆記用具をよく握り、漢字・ひらがな・カタカナを使い分けます。

縦・横・斜めの方向に線を引き、とめ・はね・はらいに気を付け、力加減のコントロールが必要。 

筋肉がこわばりスムーズな動きができないパーキンソン病患者は、一文字を書くだけでも苦労します。

起立性低血圧

起立性低血圧とは、急に立ち上がったときなどに、めまいや立ちくらみ、眼前暗黒感、失神などを起こす症状です。

通常は、身体を起こすなど体勢の変化を脳が感知すると、脳への血流を維持するため血圧を上げるように指令を出します。

パーキンソン病によりドパミンが不足していると、指令が十分に伝わらず、立ちくらみやめまいを引き起こすことになります。

仰臥位または座位から立位への体位変換の際、起立3分以内に以下のいずれかが認められた場合に診断。

症状として失神がみられる場合、生活の質が著しく低下し、転倒によるけがのリスクもあるため、早急な対応が必要です。

• 収縮期血圧が20mmHg以上低下
• 収縮期血圧の絶対値が90mmHg未満に低下
• 拡張期血圧が10mmHg以上低下

便秘

便秘とは、便通が3日以上なかったり、便が硬くて量が少なく残便感があったりする症状です。

パーキンソン病では初期から現れ、90％以上の患者にみられるとされています。

腸の蠕動運動を司る自律神経の働きが低下し、腸の動きが鈍くなることが原因。

パーキンソン病の治療薬や日常生活の活動量低下、排泄にかかわる筋力の衰えなども便秘を悪化させる可能性があります。

便秘の症状を改善するためには、食物繊維の多い食事を心がけ、水分を十分に摂取し、適度な運動をすることが大切です。

パーキンソン病の治療をサポートするストレスフリー療法

ストレスフリー療法とは、身体の特定の6点に直径1cmの導子をつけ、遠赤外線を30～60分照射する温熱療法です。

全身の血流や自律神経を整え、高血圧や糖尿病、認知症、不眠症、冷え症、白内障など、さまざまな病気の予防・改善効果が期待できます。

ストレスフリー療法により、パーキンソン病の症状が大きく改善した実例が報告されている点も特徴のひとつ。

成長ホルモンの分泌亢進・新発見の体表点への熱刺激による脳への大幅な血流増加に加え、細胞の若返りなどにより、中脳の黒質の脳細胞が正常化した結果、ドパミンの分泌が改善したのではないかと考えられています。

まとめ

今回は、パーキンソン病の症例について詳しく解説しました。

パーキンソン病は、脳の神経細胞が減少しドパミンの分泌量が減少することで発症する病気です。

振戦・筋固縮・動作緩慢・姿勢保持障害の4つが代表的な運動症状。

それらの症状に付随する歩行障害などの他の運動症状や、起立性低血圧・便秘などの非運動症状もあります。

ストレスフリー療法により、パーキンソン病の症状が改善する効果があることがわかってきました。

この記事が、パーキンソン病の症状についての理解の一助になれば幸いです。