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コラム

パーキンソン症候群は治る病気なのか?気になる治療法について詳しく解説

2025年09月10日

年齢を重ねるごとに、若い時にくらべて体が動かなくなってきたと感じる方は多いかもしれません。

しかし、もしかするとそこには思わぬ疾患が隠れているかもしれません。特に最近手足の震えや動作のぎこちなさを感じるなどの違和感がある場合、もしかするとパーキンソン症候群かもしれません。

名前だけは聞いたことがあるという方も少なくない、この病気は治療によって治る病気なのでしょうか。

この記事では、適切な治療と対策でどこまで生活の質を保つことができるのか、詳しく解説します。

監修者 佐藤琢紀(サトウ タクノリ)

監修者:佐藤琢紀(サトウ タクノリ)

銀座数寄屋橋クリニック院長

2004年東北大学医学部卒業後、国立国際医療センターで研修医として入職。2019年には国立国際医療研究センター国府台病院救急科診療科長に就任。18年間救急医として約36,000人の診療経験を通じ、現行医療の限界を認識。元氣で楽しい人生を歩むための戦略の重要性を感じる中、ストレスフリー療法と出会い、その効果に感銘を受ける。これを多くの人に広めるべく、2024年4月より銀座数寄屋橋クリニックでストレスフリー療法に特化した診療を行っている。

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パーキンソン症候群は治る病気なのか

パーキンソン症候群は治る病気なのか

パーキンソン症候群は、脳内のドーパミン分泌不足により運動機能障害を引き起こす疾患です。

結論から言うと現在のところ、パーキンソン症候群の根本的な治療法はまだ確立されていません。

しかし、症状を管理・緩和するための治療法や薬が存在し、現在も発展が続いています。

これにより、患者の生活の質を維持する可能性は高まっており、最新の研究も進めながら、再生医療や遺伝子治療などの領域でのさらなる進展が期待されています。

パーキンソン症候群の治療には、患者と家族は症状管理に重点を置き、専門家との連携を強化することが重要です。

パーキンソン症候群の治療法

パーキンソン症候群の治療法

パーキンソン症候群の治療法には、色々な方法を組み合わせて治療を勧めていきます。

薬物療法や運動療法、職業療法や言語療法などの他、病気による精神的な負担などに対して、カウンセリングを治療に組み込む場合や、外科手術という手段を取る場合も考えられます。

ここからは、それぞれの治療法について解説していきます。

薬物療法

パーキンソン症候群の治療には、ドーパミン不足による症状を緩和するために薬物療法が広く活用されています。

代表的な薬には、ドーパミンを補充するレボドパという薬があり、運動機能の改善に効果的です。

また、ドーパミン分解を抑えるMAO-B阻害薬やCOMT阻害薬という薬も使用されます。一部の患者には、ドーパミン受容体刺激薬(アゴニスト)という薬が処方されることもあります。

薬物療法は患者ごとにカスタマイズされ、継続的な医療観察のもとで効果的に管理される必要があり、病気の進行度や個々の症状に応じて最適な選択が行われます。

運動療法

続いて、運動療法は、パーキンソン症候群の症状の管理において重要な役割を果たします。

特に、筋力、柔軟性、バランスを向上させることで、日常生活での動作の効率を高める効果が期待されています。

ウォーキングやストレッチ、ヨガ、さらにはリハビリ専門家と行う個別プログラムが一般的です。

これらは、筋肉の硬直や動きの制限を軽減し、患者の独立性と生活の質をサポートします。

継続的な運動は症状進行のスピードを遅らせる可能性も示唆されており、医療チームと連携して行うことが推奨されます。

職業療法

職業療法は、パーキンソン症候群の患者が、日常生活でできる限り独立した生活を送れるよう支援する重要なアプローチです。

具体的には、食事や身だしなみなどの基本的な動作を効率よく行うためのスキルを習得したり、家事や社会活動を継続するための適応方法を考案します。

また、リハビリ専門家とともに個々の能力に合わせたプログラムを作成し、身体と精神の負担を軽減しながら生活の質を向上させることを目指します。

この方法は患者の目標に寄り添い、個別的かつ包括的なサポートを提供します。

言語療法

言語療法は、パーキンソン症候群の患者にとって、発話やコミュニケーション能力を改善・維持する重要な治療法です。

パーキンソン症候群は、症状によって、声の強さや発音、言語の流暢さに影響を与えることがあります。

言語療法士は個々の症状に応じたエクササイズを提供し、患者が明瞭に話すスキルを向上させるサポートを行います。

また、食べ物や飲み物を安全に摂取するために、嚥下機能を改善する練習も含まれることがあります。

この治療法は、患者の日常生活や社会的な交流をより豊かにし、自信を持ってコミュニケーションを取るために役立ちます。

カウンセリング

カウンセリングによる治療は、パーキンソン症候群の患者やその家族が抱える、精神的な負担や不安を軽減するために有効な支援方法です。

このアプローチでは、専門のカウンセラーや心理士が、感情面のサポートやストレス管理のスキルを提供します。

特に、診断後のショックや病気の進行に対する不安、人間関係の変化に対応するための相談が行われることが多く、家族が介護者としての役割を果たす中で直面する問題へのアドバイスも含まれています。

直接的な病気の治療や改善を目指す治療法ではないとしても、カウンセリングを行うことで、患者と家族の生活の質を向上させ、心の安定をサポートする重要なプロセスです。

外科手術

外科手術は、パーキンソン症候群の症状を軽減するための重要な選択肢の一つです。

特に、脳深部刺激療法(DBS)という外科手術が広く知られており、これは脳の特定の領域に電気的刺激を送ることで運動機能を改善する手術です。

この方法は、薬物療法だけでは十分な効果が得られない患者に適しているとされ、手術後の症状改善は期待できますが、適応が限られるため、慎重な診断と専門医の評価が必要です。

また、外科的介入は根本的な治療法ではなく、症状管理を目的としたものであることを理解することが重要です。

医療の発展と技術の進化に伴い、さらに効果的な治療法が確立される可能性も期待されています。

パーキンソン症候群の治療に関する研究

パーキンソン症候群の治療に関する研究

パーキンソン症候群の治療や症状の緩和に関しては、現在も、様々な分野で発展や進化のための研究が続けられています。

ここからは、パーキンソン症候群の治療に対する研究について、いくつかの例をご紹介していきます。

遺伝子療法

遺伝子療法は、パーキンソン症候群の治療に向けた新しいアプローチとして注目されています。

遺伝子を脳内に導入することで、ドーパミンを生成する酵素を補充したり、神経細胞の保護や再生を目指します。

具体的には、アデノ随伴ウイルスなどのベクター(遺伝子を運ぶ物質)を使用し、ドーパミン合成を促進する遺伝子を運びます。

動物実験や臨床試験では改善の可能性が示されており、進行性疾患に対する希望の治療法として研究が進められています。

ニューロンの保護

パーキンソン症候群の治療研究では、ニューロン(神経細胞)の保護に焦点を当てた手法が進んでいます。

神経栄養因子(神経細胞の生存、成長、修復を助けるタンパク質の一種)を利用して、ドーパミンニューロンの生存を促進することが研究されています。

さらに、抗酸化作用を持つ化合物や、オートファジーを活性化する薬剤の使用も注目されており、ニューロンの損傷を防ぐ可能性が示唆されています。

これらの治療法は、病気の進行を抑え、患者の生活の質を改善することを目指しています。

全身のコンディションを整えるストレスフリー療法

ストレスフリー療法は、レビー小体型認知症やパーキンソン症候群の治療において効果が期待される新しいアプローチです。

「ストレスフリー療法」とは、身体の特定の6点に直径1cmの導子をつけ、遠赤外線を30分〜60分照射する温熱療法です。

ストレスホルモンであるコルチゾールを減少させることで血流を増加させ、神経や身体の機能を改善します。結果として、患者は認知機能や情緒的な安定感が向上し、運動機能にも良い影響を与える可能性があります。

「数寄屋橋クリニック」はストレスフリー療法に特化した治療を提供しています。

公式サイトにて、詳しい情報をご覧いただけます。

まとめ

パーキンソン症候群は体の震えや筋肉のこわばりなど様々な症状が現れることがあります。

パーキンソン症候群の症状を治療、緩和するには薬物療法の他にも、リハビリテーションやストレスフリー療法などを組み合わせることで、効果を高めることが期待できます。

また、現在も医療や治療の発展と進化は続けられており、研究も盛んに行われています。

医師や家族、医療・介護などのサービスを適切に利用し支援やサポートを受けることで、パーキンソン症候群であっても、自分らしい生活を送れる環境を手に入れましょう。