4)女性ホルモン エストロゲンの分泌亢進を成し遂げる
1)エストロゲンについて
地球上の生物のほとんどが、雄よりも雌のほうが長命であるといわれています。人類においても同様です。
日本人の場合2020年度の平均寿命は、女性は87.74歳で男性は81.64歳となっており、その差は6.1年違います。
また、人間だけでなく多くの哺乳動物で、雌のほうが長生きできることが知られています。その理由の1つとして、女性ホルモン・エストロゲンの働きが考えられています。さらに、妊娠期には通常の100倍ものエストロゲンが分泌することが知られており、妊娠期の母体と胎児を守るためにエストロゲンが必要だと考えられています。
また、女性は閉経期以降、エストロゲンが枯渇していきますが、それに伴って皮膚や骨、血管、脳に対するエストロゲンの低下作用がさまざまな疾病の原因となってくるのです。
閉経期以降エストロゲン分泌は低下しますが、血液中には少量のエストロゲンが存在します。
なぜなら、卵巣や副腎皮質から少量のアンドロゲン(男性ホルモン)がエストロゲンの原料となるべく分泌され、脂肪などの末梢組織で芳香化酵素(アロマターゼ)の働きによりエストロゲンに変換されて血液中に少量存在するからです。
2)エストロゲンの多様な働き
私たちの身体の中には、甲状腺や副腎などさまざまなホルモンを分泌する器官があります。
エストロゲンは、女性の下腹部に左右1対ある親指大の重さ6グラムの卵巣で作られます。卵巣では、次世代に命をつなぐ生殖細胞である卵子が形成されるとともに、エストロゲンを産生し分泌します。未熟な卵子は原子卵胞といい、思春期には30万個存在するとされます。思春期になると、約1か月のリズムで原子卵胞が成熟して排卵が起こりはじめます。卵胞の発育とともにエストロゲン(卵胞ホルモン)が分泌されると、排卵に向かって卵胞の成長を促し、子宮内膜の増殖を進めて受精に向けた条件を整えていきます。
また、エストロゲンは女性の思春期における第二次性徴の発現を促します。
そのことによって、乳房の発達や骨格形成、皮下脂肪の沈着を促して、ふっくらした体形となるのです。
このように、エストロゲンは妊娠・出産・保育に資する身体を作り上げます。
他方、排卵後、卵巣に残った卵胞の細胞は増殖・肥大して黄体に変化します。黄体は、細胞内に脂肪が沈着することによって黄色く見えることから黄体と呼ばれます。
妊娠が起こらないと退化して、白い痕跡組織になります。黄体は、プロゲステロンを分泌します。プロゲステロンは妊娠か可能となるように働き、さらに妊娠を維持するための身体の変化を準備します。
例えば、代謝を高めて体温を上昇させたり、乳腺の発育も促したりします。卵巣から分泌されたエストロゲンは血液に入り、全身を循環して、生殖器官だけでなくさまざまな働きをすることで知られています。
エストロゲンには、骨を強くしたり血管壁を緩めたり、コレステロールを減らしたりする作用もあるとされます。また、脳に働きかけて脳の認知機能を維持するとされています。
このように、全身組織に対するエストロゲンの多様な作用は、生涯を通じて働くのです。エストロゲンは、特に高齢期において極めて重要なホルモンといえます。
3)エストロゲンはストレスの影響を受ける
身体的ストレス刺激が卵巣エストロゲン分泌に影響を及ぼすことは、ラットを用いた実験で明らかになっています。
それは、ラットにストレスをかけるとエストロゲンの分泌は低下するというものです。
同じように、私たちは強いストレスを受けると、心臓の鼓動が高まったり、手に汗をかいたりするなどの経験をします。このことは、ストレスが自律神経の交感神経を高めたことによるものです。
交感神経は、心臓などのほとんどの内臓器官に分布しています。同様に、女性の卵巣にも豊富に交感神経が分布しており、私たちヒトの卵巣においてもさまざまなストレスによって交感神経が刺激を受けて優位になると、卵巣への血管が収縮して血流低下が起こり、エストロゲンの分泌抑制が生じることがわかります。
前述しましたようにエストロゲンは、私たちヒトの健康維持に幅広く関わっていることから、ストレスによって大きな影響を受けるとみられます。
創造主は、閉経期までは女性をエストロゲンの分泌により保護しています。
しかしながら、閉経期を過ぎると一般的に女性はエストロゲンが枯渇し、がんや心筋梗塞、骨粗鬆症、認知症などさまざまな疾患が多発することが知られています。
また翻(ひるがえ)って、女性の妊娠可能年齢で諸々の病気にかかるケースは、ストレスなどによりエストロゲンの分泌が減少している可能性が高くなると考えられます。
4)P点への刺激で大幅脳血流増幅とエストロゲンの分泌亢進に成功
私は長年の左眼白内障の改善を目指し、自らに実験として左目まぶた上の「P点」への刺激を施しました。その結果は、著効があり左目の白濁が消失したのです。
さらに、その応用で白内障の臨床試験を生命倫理委員会の許可を経て実施しました。
その結果は後述しますが、緑内障と合併していた老眼がよくなり、シミなどが改善したほか、変形性膝関節症などの退行性病変にも著効があることが判明してきました。その結果から、医学史上考えられない大きな発見をすることになります。
要旨は、次のとおりです。
① 「P点」への刺激は、脳への2倍以上の大幅な血流増幅を実現する
② 「P点」への刺激は、閉経後減少し枯渇するエストロゲンの分泌亢進を成し遂げる
③ エストロゲンの分泌亢進とともに、成長ホルモンとIGF-1の分泌も亢進する
「P点」への刺激が、なぜエストロゲンの分泌亢進につながるのかという疑問は、「P点」への刺激によって脳への大幅血流増幅が果たされることに集約されると思います。
最近の研究から、エストロゲンは脳細胞からも産生され分泌することがわかっているからです。
脳細胞への大幅な血流増幅と成長ホルモンの分泌亢進は、1つの脳細胞の中に4,000~5,000は存在するとされるミトコンドリアの活性化に結びつくことは当然の帰結です。
加齢とともに著しく減じられた成長ホルモンは、「P点」への刺激によって分泌亢進し、成長ホルモンが肝臓に働きかけて合成されたIGF-1と協調しながら、脳細胞内の多数のミトコンドリアに分裂を促すことにより、続々と分裂が果たされ、加齢によって沈滞化していたミトコンドリアを若返らせると考えられます。「ストレスフリーMMTS」のミトコンドリア活性化の確認の実験が準備されています。
また、豊潤な血流は、ミトコンドリアに豊富なグルコースと酸素を供給し、脳細胞の活動の素となるATP産生を可能とし、今まで以上に脳や神経の活性化が起きていると考えられます。
それによって、脳細胞からエストロゲンや、減少するとパーキンソン病の原因となる神経伝達物質ドパミンの産生も高まるほか、一連の脳の活性化は世界的課題である認知症の予防や改善への期待が高まるとみられます。
ストレスフリーMMTS療法を行うことにより9つの効果が表れます。
クリニックにおけるストレスフリーMMTS療法での診療実績
冷え症・不眠症・しみ・たるみ・しわ・老眼・白内障・緑内障・眼瞼下垂・高血圧・高脂血症・糖尿病・パーキンソン病・認知症・小脳変性・関節リウマチ・各種ガン疾患・強皮症・静脈瘤・パニック障害・躁うつ病・花粉症・前立腺肥大症・前立腺がん・婦人科疾患・不整脈・アルコール性肝炎